JDAT(日本災害歯科支援チーム)に参加して
本校歯科衛生士科卒業生が能登半島地震JDATに参加しました
#歯科衛生士 #専門学校 #能登半島地震
JDAT(Japan Dental Alliance Team:日本災害歯科支援チーム)は、災害発生後おおむね72時間以降に地域歯科保健医療専門職により行われる、緊急災害歯科医療や避難所等における口腔衛生を中心とした公衆衛生活動を支援することを通じて被災者の健康を守り、地域歯科医療の復旧を支援すること等を目的として、令和4年(2022年)3月2日に日本災害歯科保健医療連絡協議会が創設されました。
参考:https://www.jda.or.jp/dentist/disaster/#JDAT
歯科衛生士を志したきっかけはなんですか?
私が歯科衛生士を志したきっかけもやはり「災害」でした。
東日本大震災で知人が警察官として避難誘導中に津波にのまれ殉職しました。
私は当時、歯科助手として勤務しておりました。行方不明だった知人を探したい気持ちと何かをしたいという焦りで、大学時代の知り合いを通し被災地に入りました。
みなさんも映像等でご存じでしょうが、はじめて被災地に入ったときは、私の中の言語が全てなくなりました。
非日常生活において、明確に立場がわかる「証明」が必要と考え歯科衛生士になるべく、母校の門をたたきました。
今回なぜJDATに参加しようと考えたのですか?
歯科衛生士になる前もなった後も、「災害時における歯科衛生士の役割」を考えており災害時に活動できるよう訓練や勉強をしてきました。
歯科衛生士になってはじめて入った学会が「日本法歯科医学会」です。
その中で急性期医療に興味を抱き医科での学びを選びました。
JDAT構築後、東京都も初の派遣とのことで、今までの災害医療の知識と経験からの推薦と依頼でありました。
被災地でどのような活動をされましたか?
保健施設や避難所でのアセスメントや保健指導、口腔ケアの実施 治療補助 物資の供給等です。
被災者の方々が困っていたこと、
不足していたものなど(歯科分野)ありましたか?
元々僻地医療であり地元歯科医院が5医院しかなく現地の先生方もご自身も被災者でありながらも奮闘されておりました。
地元歯科メーカーさんが物資の提供をされており、全体的にみると歯ブラシや歯磨剤等はいきわたっておりましたが、避難所の物資置き場に、口腔清掃類がまとまって置いていない避難所も多くあり、配置場所の指示や使用説明が必要でした。
事前の情報で、水分不足による口腔乾燥の症状がある方が多いとのことで、口腔清掃シート等のウェットシートを多く用意しました。
実際にJDATに参加してみて、どのように感じましたか?
JDAT第1班として、手探りな事が多く、今後の課題は多いと思います。
ただ、新型感染症が流行後、避難所設営が変わりました。
感染対策は歯科の得意な分野であり歯科の活躍機会は多くなると思います。
他の医療従事者との連携があればどのような職種と、
どのような連携がありましたか?
DMATや日赤医療班から情報提供があり、その施設で全体、個別アセスメントをし、口腔ケアを実施しました。
現地医療本部では、各学会からの派遣団体が多く入り、その中には日本臨床衛生検査技師会からの派遣者もいらっしゃいました。
今後歯科衛生士を目指す学生に一言お願いします
歯科衛生士を目指す理由としては、様々あるかと思います。どんな理由にせよまずは学校で勉強し知識を得ないといけません。その中で、自分が何に興味があるのか、何をしたいか、何を目指しているのかを考えながら学んでいくと良いと思います。
興味がある分野は勿論のこと、目指す像があれば勉強も楽しくなると思います。
模索していく中で、担任の先生や教科の先生に相談するのも良いと思います。
私も在学中、担任の先生が東北のボランティア活動を応援してくださったり、進路について相談をしていました。身近にいらっしゃる先生方は、歯科衛生士としても先輩にあたるので、とても心強いと思います。もちろん、OGとして私にできる事があればぜひ力になりたいとも思っております。
やりがいや貢献度も高く、働き方の選択も多いと思います。
何より、クラス全員が「歯科衛生士」を目指すので、同じ想いで3年間を過ごし、絆も強くなります。卒業後も続く仲間になります。
きっと充実した3年間になるでしょう。